米軍廃棄物とチョウ類研究者

塩入雄一郎(沖縄タイムス記者)
2025/05/08
沖縄県の米軍北部訓練場のジャングル戦闘訓練センターで、ジャングル訓練をする米第3海兵隊。2025年3月7日。Photo by U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Weston Brown

 沖縄県北部に広がる米軍北部訓練場の過半返還跡地に大量の米軍廃棄物が残されている。この問題に一人のチョウ類研究者が取り組んでいる。東村に住む宮城秋乃さん。体を張った抗議スタイルを貫き、これまで3回逮捕され、6つの罪で起訴されてきた。強制捜査である家宅捜索を受けたことも何度もある。

 3月6日に那覇地裁であった判決公判では、無罪となった公務執行妨害罪を除く火薬類取締法違反や公職選挙法違反など5つの罪で懲役3年(執行猶予4年)罰金30万円の有罪判決を受けた。実刑はぎりぎり免れた印象だ。宮城さんも検察もともに控訴せず、罪は確定した。

 宮城さん一人に闘わせていいのか、この人だけに罪を背負わせていいのか。取材をしていて心が苦しくなる。

8年で数千発の銃弾

塩入雄一郎

(しおいり・ゆういちろう)1977年、鹿児島市生まれ。2000年に西日本新聞入社。社会部、韓国釜山駐在、東京支社報道部などを経て2023年8月から沖縄タイムス記者。現在、社会部で環境問題を担当。

2025年6月号(最新号)

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