辺野古の海で何が起きたのか

目取真 俊(小説家)
2026/06/09

 3月16日に辺野古沖で発生した事故については痛恨の思いを抱いている。

 2014年8月から辺野古の海、大浦湾でカヌーに乗って辺野古新基地建設に対する抗議行動に参加してきた。私は船舶免許を持っていないので、海上でのとりくみはカヌーに乗っての抗議行動に限定してきた。「海案内」という形で行なわれているとりくみには関わってこなかったので、修学旅行生を受け入れていたことは事故が起こって初めて知った。

 私が見てきた限りで、もともと「海案内」に参加するのは、労働組合や市民団体の関係者が多く、小グループや個人で参加する場合も、ゲート前の座り込みに参加しながら海の工事状況も見てみたい、という人たちが大半だったと思う。物見遊山で来る人はいるはずもなく、基地問題や環境問題に関心が高く、辺野古の海、大浦湾の自然を観察しながら、工事の状況も自分の目で確かめたい、という人たちの要望に応えるとりくみだったと思う。

 そういう従来の「海案内」のあり方からすれば、修学旅行生の受け入れは飛躍がある。高校生は未成年者であり、明確な意思を持って参加しているのではない。修学旅行も教育活動の一環だから平和学習が位置付けられるにしても、目的の大きな一つは、3年生になって受験勉強に集中する前にみんなで楽しく過ごし、思い出作りをすることにある。そういう点を見れば、従来の参加者とは質が違う。

目取真 俊

小説家。1960年、沖縄県今帰仁村生まれ。著書に『目取真俊短篇小説選集』全三巻、『魂魄の道』『ヤンバルの深き森と海より《増補新版》』(以上影書房)、『群蝶の木』『魂込め』(朝日新聞社)、『水滴』(文藝春秋)、『沖縄「戦後」ゼロ年』 (日本放送出版協会)ほか多数。近著に『地を這う声のために』(影書房)

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