ペルー大統領選挙――もつれる背景と政治の今後

村上勇介(京都大学教授)
2026/07/05
Protesters hold a large white banner reading 'NUNCA MAS' at a night march on a city street with a historic building in the background.
2026年5月30日、ペルーの首都リマで、ケイコ・フジモリ氏に反対する市民デモ行進が発生。バナーには “Fujimori never again”の文字。クレジット:©Carlos Garcia Granthon/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ

 去る6月7日にペルーで大統領選挙決選投票の投開票が行なわれた。本論執筆時(6月半ば過ぎ)には、未だ、異議申し立てがなされた投票所集計報告をめぐる審理が選挙管理機関で続いており、最終結果が出ていない。ただ、審理対象となっている報告の大半がケイコ・フジモリ(フジモリ元大統領の娘。以下、ケイコ)候補に有利な選挙区のものであることから、ケイコの当選が確実視されている。得票差は小数点以下、票にして数万である。今世紀に実施されてきたペルーの選挙はわずかな差でもつれることが常態化し、選挙のたびに僅差の記録が更新されてきたが、今回も前回の票差を下回る見とおしである。以下、その背景と選挙戦を振り返り、今後の展望を述べる。

選挙前までの一般情勢

村上勇介

京都大学教授。博士(政治学)。専門は、ラテンアメリカ地域研究、政治学。著書に『現代ペルーの政治危機』(編著、国際書院)、『フジモリ時代のペルー』(平凡社)など。

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