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▼この声明は、6月4日、平和構想提言会議(共同座長:青井未帆・川崎哲)が公表した全文である。高市政権が国家安全保障戦略を含む安保三文書を2026年内に改定すると表明した動きを受け、同日、研究者・NGO活動家など当初メンバー19名により平和構想提言会議(第2期)が発足した。同会議は今後、政府の安保政策を検証しつつ、「武器によらない安全保障」の可能性を追求し、市民社会の立場から提言を行なっていくとしている。
私たちはいま、第二次世界大戦後の国際秩序と日本の進路が大きく揺らぐ、歴史的な転換点に立っています。ウクライナ、ガザ、レバノン、イランなどで、軍事大国は、国連憲章をはじめとする国際法を無視したかのような攻撃を続けています。そのなかで繰り広げられる民間人の殺戮を、国際社会は止めることができないままです。戦争の拡大と国家間の緊張の高まりは、核使用の脅威をも高めています。その一方で、人道支援、保健、気候危機対策などに必要な国際協力は妨げられ、貧困拡大や環境破壊が進んでいます。これらは、人類の生存基盤を揺るがす地球の危機を招いています。
こうしたなかで日本は、戦後「平和国家」を標榜してきた国として、ほんらい、紛争の平和的解決、国際法秩序の修復、人権保障や環境保護に向けて尽力すべきところです。ところが、いま日本政府が行っていることは、自らの軍事力増強と、アメリカとの軍事協力関係の強化ばかりです。トランプ政権が国際法を無視した自国中心的な行動をどれだけ重ねても、日本政府は無批判にただ「日米同盟の強化」をくり返すばかりです。さらには、イギリス、オーストラリア、フィリピンといった国々との「準同盟」なる概念を、法的根拠も不明確なまま提唱し、事実上の「中国包囲網」を形成しようとしています。
そして日本政府は、安全保障政策において、これまで平和憲法のもとで課されてきたさまざまな制約を撤廃しようとしています。それは、軍事費の大幅な増額、全国へのミサイル基地や弾薬庫の設置、自衛隊による敵基地攻撃態勢の強化、武器輸出の全面解禁と軍事産業の育成などにみられます。これらは「抑止力と対処力の強化」というかけ声の下で進められていますが、その背景にはアメリカからの軍拡圧力があることは明らかです。さらに政権与党内からは、非核三原則の見直し論まで浮上しています。
政府はまた、メディアや言論空間の管理を強化し、大学を軍事研究へと誘導するなど学術の軍事動員をも図って、戦争に向けた国家体制作りを進めています。国家情報会議の設置をはじめとする市民監視体制の強化が進み、「国旗損壊罪」制定をめざす動きに見られるような「愛国主義」の押しつけや、教育に対する国家の介入や統制も強められています。年内に予定される「安保三文書」の改定は、こうした動きを加速させるものであり、明文改憲をも先取りするものとなる可能性が高いといえます。






