イスラエルによって封鎖と攻撃が続くパレスチナ・ガザ地区の停戦・和平にあたる「平和評議会」が、2026年1月の世界経済フォーラムにおける憲章への署名を経て国際機関として発足した。これは米国ドナルド・トランプ大統領が2025年9月末に提案したもので、イスラエル軍とハマースとが停戦と人質交換をしたのちに、イスラエル軍の撤退とハマースの武装解除、そして国際的な統治機構によるガザ統治を目指すことを謳っていた。イスラエルとハマースが10月に同提案に原則的に合意し、停戦がいちおう発効した。そして11月にトランプ大統領は、国際連合の安全保障理事会で自らの停戦・和平案を決議し、法的拘束力を持たせた。
1月の平和評議会の発足は、この安保理決議に基づくもののように見えるが、国連の枠組みの中にある機関ではなく、停戦を維持するために組織される「国際安定化部隊」も、国連平和維持軍(PKF)や国連休戦監視機構(UNTSO)ではない。平和評議会も国際安定化部隊も、あくまでトランプ大統領が参加を呼びかけ、そして参加を承認する組織である。ここには、アメリカ合衆国に見られる、とりわけトランプ大統領に顕著な国連軽視の姿勢が表れており、国際法や条約、国連機関や国連決議に制約を受けずにアメリカとイスラエルの利益を最優先してガザ地区の支配・管理をしたいという欲望が反映されている。平和評議会の参加国には10億ドル(約1500億円)の拠出金が求められているが、おそらく当面の算出根拠としては、国連貿易開発会議(UNCTAD)がガザ地区の再建復興に700億ドル以上(約11兆円)が必要となると試算している。そしてトランプ大統領は、日本も含む60カ国以上に平和評議会への招待状を送っているが、その国々が各10億ドルを拠出すれば、計算上およそ再建復興費用を賄うことができるからだ(1月の発足時点では約20カ国が参加し、現在では約30カ国になっているが、日本はまだ参加表明していない)。







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