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政府内からも警察主導への不満
いわゆる「国家情報会議」と「国家情報局」を新設する関連法は、さして激しい論争も起こらぬまま今国会で成立してしまった。
早ければこの7月にも内閣の新組織として発足する見通しだと報じられているが、法案が成立した直後、ある外務省関係者は私に次のような趣旨の不満を漏らしている。
「もし本格的に国家情報局のような組織を作るなら、本来は外務省なども深く関与する形を模索すべきだったが、そうした動きが起きて主導権を失うのを避けたかったのだろう、機先を制するように内調主体の組織とすることで警察が押し切ってしまった」
その警察の一部門である公安警察とは“ライバル関係〟ともいえる法務省の外局・公安調査庁の中堅幹部も同時期、私にこんなふうに語っている。
「率直に言って、新組織も警察が完全主導する形になってしまい、これでは新法が謳う『重要な国政の運営に資する情報の収集調査』には役立たないのではないだろうか」
醒めて捉えるなら、往々にして各々の権益確保に躍起となり、時には縦割りの弊害などに陥りがちな各省庁=お役所の“縄張り争い〟、または“主導権争い〟に類する愚痴と評せなくもない。
ただ、両者の台詞にはそうした愚痴の域を超えた本質も確かに埋め込まれている。本連載で記してきた通り、国家情報会議と国家情報局なる新組織の創設とは結局のところ、公安警察組織とそこに出自を持つ警察官僚たちの権限・権益をまたも大幅に拡大・強化するものにほかならないからである。
まずは概略をざっとおさらいしておきたい。



