グスタボ・ペトロとは誰か――コロンビア政治の現在

柴田修子(同志社大学グローバル地域文化学部准教授)
2026/02/04
大統領の改革を支持する集会の参加者に手をふるグスタボ・ペトロ大統領。コロンビア・ボゴタ。 二〇二五年三月一八日。Long Visual Press /ABACAPRESS.COM / 共同

 二〇二二年のペトロ大統領就任は、コロンビア初の左派政権誕生として話題を集めた。就任後はかねてから課題になっていた税制改革に加え、年金制度改革、労働法改革、医療保険制度改革を柱とした大規模な社会制度改革を行なうとして、新自由主義に基づく従来の政策を大きく転換することが期待された。また治安においても「完全な平和」を掲げ、武装勢力との和平交渉を推進することを約束した。コロンビアでは数年前から、大規模な抗議行動が続いていた。これは当時のドゥケ政権に対する批判であると同時に、二大政党制に基づいた「談合民主主義」に対する不満の表れでもあった。こうした不満を追い風に誕生したのが、ペトロ新政権だったのである。本稿では、ペトロの政治家としての軌跡を辿るとともに、変革の期待を一身に背負ったペトロ政権の成し遂げたこと/できなかったことを考えていきたい。

活動家から政治家へ

柴田修子

(しばた・のぶこ)同志社大学グローバル地域文化学部准教授。博士(グローバル社会)。専門は社会学、ラテンアメリカ地域研究。論文に「メキシコにおける移民/難民の法整備と実態」宇佐見耕一編『ラテンアメリカと国際人権レジーム』(晃洋書房)など。

地平社の本

ガザを知る

CHIHEI Podcast

2026年2月号(最新号)