国際法とドローン兵器——どう規制しようとしているのか?

岩本誠吾(京都産業大学名誉教授・法学部客員教授)
2026/04/05
ドローンを操るイスラエル兵。(IDF)

ドローン兵器・ドローン戦争の普遍化

 2026年2月28日に米国・イスラエルがイランに武力攻撃を開始した。その際に、米国は、イラン製ドローンのシャヘドをモデルに開発された「低コスト無人戦闘攻撃システム(LUCAS(ルーカス))」という一方向攻撃(自爆)型ドローンを新たに実戦使用した。被攻撃側のイランも、イスラエルや米軍駐留の中東諸国に向けてシャヘド・ドローンを発射し反撃を開始した。

 ドローンは空域だけに留まらず、ロシア・ウクライナ戦争ではウクライナ製の海上ドローン(マグラV5)や水中ドローン(サブ・シー・ベビー)が大きな戦果を挙げている。ドローンは、近年の武力紛争において費用対効果の良い安価な兵器として大量に実戦使用され、戦況に多大な影響を及ぼしている。それは、もはや現代戦において主役級の戦闘手段にもなっている。武力紛争において多種多様な兵器類が使用されているにもかかわらず、現代戦がしばしば「ドローン戦争」と称されるのも頷ける。

 では、国際法は、そのドローン兵器・ドローン戦争をいかに規制しているのか、そして、近未来戦を含む今後のその法規制はどうなるのか、以下で考察する。

ドローンの分類

 無人(ロボット)兵器は、使用領域により無人陸上車両(UGV)、無人水上艦艇(USV)、無人水中航走体(UUV)、無人航空機(UAV)に大別される。一般的には、UAVがドローンと称される。また、ドローンには、民生用(娯楽・商業・公共用)と軍事用(偵察・攻撃用)がある。軍事ドローンには、運用空域別に大型の戦略用(高高度長期間滞在型:HALE)、中型の戦域用(中高度長期間滞在型:MALE)、小型の戦術・近距離用、小型の特殊任務用(突入自爆型)がある。使用類型により、再利用型と使い捨て・突入自爆型がある。標的により、対物用と対人用にも区分される。この中で、国際法は攻撃用ドローンに限り適用される。

 ドローンの機体操縦とその攻撃操作は、当初、両方とも人間による遠隔操作型であった。その後、人工知能(AI)の劇的な進化により、AI搭載ドローンは、自律性を持ち始めた。自律性には二種類あり、一つは移動に関する自律性(自律飛行)であり、それによりオペレーターの操縦負担が大幅に軽減された。もう一つは攻撃に関する自律性である。攻撃の自律性により、起動後に人間のさらなる関与なくドローン自身が標的を選択し攻撃できる自律型兵器も登場してきた。現存する自律型ドローンは、人間が設計したプログラムに従って標的を選択し攻撃できる特化型AI搭載兵器である。近い将来、AI自らが標的を選択し攻撃できる汎用型AI搭載兵器が出現すると予測されている。

 ちなみに、AI搭載ドローンの自律飛行は、単機だけに限られず、近年、同時に複数の、それも、大量のスウォーム(群れ)攻撃が可能となった。それは、戦術的に飽和攻撃に使えるようになったことを意味する。

兵器に関する国際法原則

岩本誠吾

(いわもと・せいご)京都産業大学名誉教授・法学部客員教授、1956年生まれ。神戸大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。国際法専攻、特に国際人道法研究。

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