これまでの記事はこちら
安倍首相のTOKIOへのすり寄り
2018年12月28日、TOKIOのメンバーと安倍晋三首相がにこやかな顔で並ぶ写真が、首相官邸のインスタグラムにアップされた。
「TOKIOの皆さんに、総理公邸でお目にかかりました。東日本大震災の後、福島復興のために頑張ってくださっています。DASH村の思い出、福島への熱い思いを伺い、私も胸が熱くなりました」と書かれている。

それから半年もしない2019年5月10日、安倍氏はTOKIOとピザ屋で再会し、その時の様子を自身のツイッターにアップした。「福島復興のために……」と再び発信している。安倍氏は、これは私的な会食だったという。
なぜ安倍氏は短期間にTOKIOと二度も会ったのか。
1回目は、自民党が発行する女性誌『りぶる』(2019年2月号)での巻頭記事の座談会のためであった。14ページにわたるスペシャル記事である。

座談会の記事の中心に置かれたのは「福島復興」と「東京五輪」である。写真がふんだんに使われている。「ふくしまプライド。」のポスターや新CM発表会、彼らがアンバサダーを務める「東京2020 オリンピック・パラリンピック フラッグツアー」の巡回会場でのもの、首相とメンバー各々が固い握手を交わす姿などである。
座談会の終盤、城島氏は「TOKIOのCDデビューと、総理のお誕生日は一緒ですよね」と言う。さらに「同じ日なので、ずっと親しみを感じていました。政権を長く続ける秘訣を教えていただけますか」と質問をする。安倍氏は意気込みを語り、選挙を話題に持ち出す。4月に統一地方選挙、夏には参議院議員選挙(投票日は7月21日)があるので、「自民党を応援していただきたい」と呼びかけるのだ。
そして、ページをめくれば、座談会につづくのは参院選の公認候補予定者の一覧である。ピザ屋の再会の投稿は、参院選が近づいての、自民党の宣伝というわけだ。
実は当時、この写真が世間で話題になった。ジャニーズ事務所(当時)はタレントの肖像権の管理に厳しく、インターネット上のニュースサイトやウェブ媒体への写真掲載をNGにしていた。福島県の開示文書でも、彼らの広告やポスターの写真は黒塗りである。公用ならまだしも、2回目は私人としてのSNS投稿とされているのに、TOKIOが写っている。この異例の扱いは、安倍氏への特別配慮だったのか。そんな推測が駆けめぐった。毎日新聞がこの疑義を記事にしている。疑問をジャニーズ事務所に投げかけたが回答はなかったと、記事にはある。
この件で、一連の情報の中にあるのは、「福島復興」「復興五輪」「安倍政権」「自民党」「ジャニーズ事務所」、存在を感じさせる「電通」である。これらの結び目にあるのが〝利権〟であり、それを覆い隠すためにTOKIOのポジティブなイメージは使われている。その彼らを〝福島復興の顔〟として、全国に拡散・定着させる役割を果たしたのが、この時の安倍首相だった。
TOKIO課の発足
TOKIOを起用する福島県の「風評払拭」のPR事業は、2017年度から東北博報堂(博報堂の完全子会社)に委託された。事業費は約4億4000万円である。この年度から仕様書に「テレビCMにはTOKIOを起用すること」と明記される。起用するタレントを指名してある仕様書は、これ以外には思い出せない。
また、補足しておくが、この事業を前年度まで受注してきた電通は、県が新たに設けた「風評被害」対策の事業など何本かを受注している。その合計額は前年度よりも増して約12億5000万円だった。





