代替肉ブームの転換期
見た目も味も本物の肉のようだが原料は植物という代替肉。一時は「地球の救世主」とまで言われ、環境保護派ばかりでなく株式市場の期待も一身に集めたが、その発祥の地とも言える米国で地盤沈下が止まらない。メーカーは劣勢を挽回しようと必死だが、様々な原因が幾重にも重なっているだけに、人気回復は容易ではない。
代替肉大手のビヨンド・ミートが2月26日に発表した2024年1~12月期の決算は、最終損益が1億6000万ドル(約235億円)の赤字となった。コスト削減の結果、前年の3億3800万ドル(約497億円)の損失からは改善したものの、依然、赤字の垂れ流しが続く。一方、売上高は前年比5%減の3億2600万ドル(約479億円)。微減にとどめたとも言えるが、ピークの2021年に比べると3割近く減っており、こちらも歯止めがかかっていない。
ライバルのインポッシブル・フーズは非上場のため決算状況は不明だが、やはり芳しくないようだ。同社は今年に入り、人気ヨーグルトメーカーの元幹部を最高需要責任者(CDO)として迎え入れた。営業やマーケティングのテコ入れが狙いとみられる。ここ数年、大規模なリストラを繰り返しているものの、経営状況は思ったようには改善されていないようで、2021年と言われていた株式公開はいまだに実施されていない。
ハンバーガーやステーキが国民食とも言える米国は、代替肉の巨大な潜在需要があると見られていた。それだけに、代替肉のパイオニア的存在である両社がこれほどの苦境に立つとは誰も想像していなかったに違いない。