34歳、イスラム教徒、アジア・アフリカ系、そして社会主義者(米国民主社会主義者=DSA所属)を自認して選挙に勝利したゾーラン・マムダニが、グローバル資本主義の首都ニューヨークの市長に就任して半年が経過した。
トランプ大好きの右派メディアや、市場主義の保守系論者は、当初、「マムダニの急進左派政策は絵に描いた餅に終わる」と酷評し、お手並み拝見の評論を書き並べたが、その「期待」に反し、この間のマムダニ市政の実績は「まずは快進撃」である。
マムダニが選挙で訴えた「Affordableな暮らしを実現する」政策が、(1)急進左派の危険思想ではなく、暮らしの危機に直面するニューヨークっ子の心をしっかり捉えている、(2)今秋11月に再選選挙に臨む州知事/州議会議員がマムダニノミクス(マムダニの経済政策)を熱望するニューヨークっ子(大票田)の心情を無視できず、協力的である――などが順調な滑り出しの背景にある。
Affordableな暮らし:普通の暮らしを支える賃金を稼げる/住宅費が年収の30%以下に抑えられ/教育費、医療費、贅沢ではない遊興費を払える暮らし。 ニューヨークでは、一部屋アパートの平均月額家賃がマンハッタン4000ドル/ブルックリン3500ドル、子ども保育費は月額2500ドル前後、ビッグマックの値段は東京の2倍。子育てを始めた若年世代が暮らしの危機に悲鳴を上げている。全国で400万世帯以上が子どもの保育に苦悩している(ブルッキングス研究所、2026年7月2日)。
換言すれば、「普通の暮らしを取り戻そう」程度の訴えだが、それが市民に新鮮に響くほど、現在の暮らしは厳しい。
マムダニ現象はニューヨークにとどまっていない。経済、政治を牽引するスーパースター都市に伝播し、秋の選挙ではワシントン――大統領D・トランプの膝下に社会主義市長が誕生し、さらに第2の都市ロサンゼルスでも社会主義市政が実現しそうな勢いである。
現象がいよいよ時流に昇華しようとしている!
選挙で掲げた政策
その主要な政策は以下の通りである。
(1)家賃凍結、(2)公営住宅の供給拡大(住宅の脱商品化政策)、(3)ゼロ歳から子ども保育を無償化、(4)運賃無料バスの運行、(5)市所有グロサリーストアの展開、(6)2030年までに最低賃金を時給30ドルに引き上げる。
いずれもニューヨーク及び他都市で前例がある。また、これらの政策は欧州では普通に取り組まれている。「急進左派」のレッテル貼りは的外れである。
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